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沖代地区条里跡で生き物観察会を行いました

古代の区画(条里)が今も残り、沖代地区条里跡という遺跡になっている沖代平野の田んぼ。条里の田んぼに残る土水路には絶滅が危惧される生き物が多く生息していることが、平成24年から中津市教育委員会で行っている生物調査で明らかになっています。地元の方々の協力を得て、この土水路は歴史的な景観と環境に配慮し、維持管理にも適した水路として石積水路へと改修することになりました。歴史博物館ではこの遺跡の歴史的、環境的な価値を知ってもらおうと地元の小学5・6年生に呼びかけ、11月20日(土)生物調査と観察会を行いました。工事をする区間の生き物を他の区間へと逃がす目的もあります。

最初に、参加してくれた6人の小学生と調査を担当する九州大学山下奉海先生、九州オープンユニバーシティ鹿野雄一先生、布施健吾先生たちで生物を採集しました。メダカやアブラボテ、テナガエビ、タイコウチ、カマツカなど色々な生き物を採集しました。次は観察と先生たちによる説明です。その生き物がどういう所で暮らしているのか、何を食べるのか、名前の由来などくわしく教えて頂きました。最初は「魚さわれないー!」「虫、無理ー」と言っていた参加者たちも説明を聞き、だんだん自分の手で触ったり、顔を眺めて「かわいい」とつぶやいたり、小さな生き物たちに愛着が湧いてきた様子でした。最後は、観察した生き物を逃がす作業です。「工事が終わったら、また帰ってきてね。」の思いを込めて、少し離れた区間に放しました。子どもたちのいきいきとした姿を見て、地域の歴史や環境について、実際に体験することの重さを改めて感じました。